2008.1.3 Kamakura lens test 鎌倉レンズ比較

DALLMEYER SPEED ANASTIGMAT F/1.5 F=3" 318147
Ernst Leitz Wetzlar Hektor f=7,3cm 1:1,9 No 235604
Carl Zeiss Jena Biotar 1.5/75 T 3771480
HELIOS-40 1,5/85 No633370

Dallmeyer Speed 1.5/75を気に入って使っているのですが、ひょっとして値段のうんと安いBiotar 1.5/75やHelios-40 1.5/85でも似たようなものかもしれない、という疑問を解明すべく比較してみました。Ennalyt 1.5/85も加えようと思ったのですが、同じようなレンズばかりでは面白くないので、構成の違うHektor 1.9/73を加えてみました。レンズ構成は違いますが、一応これもレンズは6枚ですので。


作例1 遠景

F=1.5 1/6000 ISO=100 Shrink from 4368x2912 to 800x533 pixel

(1) Biotar 1.5/75 ----------- (2) Dallmeyer speed 1.5/75 --- (3) Helios-40 1.5/85 -----

F=1.5 1/6000 ISO=100 Pixel crop to 800x533

(4) Biotar 1.5/75 ----------- (5) Dallmeyer speed 1.5/75 --- (6) Helios-40 1.5/85 -----

F=2.0 1/4000 ISO=100 Shrink from 4368x2912 to 800x533 pixel

(7) Biotar 1.5/75 ----------- (8) Dallmeyer speed 1.5/75 --- (9) Helios-40 1.5/85 ----- (10) Hektor 1.9/73

F=2.0 1/4000 ISO=100 Pixel crop to 800x533

(11) Biotar 1.5/75 --------- (12) Dallmeyer speed 1.5/75 -- (13) Helios-40 1.5/85 ----- (14) Hektor 1.9/73

F=2.8 1/3000 ISO=100 Shrink from 4368x2912 to 800x533 pixel

(15) Biotar 1.5/75 --------- (16) Dallmeyer speed 1.5/75 -- (17) Helios-40 1.5/85 ----- (18) Hektor 1.9/73

F=2.8 1/3000 ISO=100 Pixel crop to 800x533

(19) Biotar 1.5/75 --------- (20) Dallmeyer speed 1.5/75 -- (21) Helios-40 1.5/85 ----- (22) Hektor 1.9/73

・最初に気づきのは色です。全部WB太陽光なのですが、BiotarとHeliosは黄色く、Dallmeyer SpeedとHektorは青く写ります。BoitarとHeliosはシングルコーティング、Dallmeyer SpeedとHektorはコーティング無しですので、この影響が出ているのだと思います。

・周辺光量落ちですが、ダメだろうと思っていたDallmeyer Speedは実は優秀で、実はBiotarがダメだったということが分かりました。順位をつけると、Hektor, Dallmeyer Speed, Helios-40, Biotarの順になるようです。

・シャープネスではHelios-40の圧勝です。このレンズはEnnalyt 1.5/85のような割と最近のレンズと比較すべきでしょうね。開放ではBiotarはハイライトの近傍に強いハロは出、Dallmeyer Speedは全体にベールがかかる感じです。Hektorはこの条件では大健闘で、F1.9でBiotarに見劣りしないのは、ちょっと見直しました。F=2.8になると、どのレンズもしっかり写っています。

・シャッタースピードを絞りから単純に計算すると、F1.5=1/6000, F2.0=1/3000, F2.8=1/1500だと思ったのですが、これでは絞った時に明るくなりすぎます。ですので、F1.5=1/6000, F2.0=1/4000, F2.8=1/3000に設定しました。おかしな設定なのですが、古典大口径レンズをEOS 5Dで普段使っている感覚と一致しています。EOS 5DをAEで使い、日中晴天下で、絞り開放の場合、暗く写りすぎます。ですのでいつも+1くらいで使っています。絞るに従って、また曇り空になるに従って、AEが合うようになります。EOS 5Dの露出計はキヤノンのレンズに合わせてあるので、大昔の収差の塊のようなレンズを使う場合には多少調整が必要、というのは納得できます。


作例2: 遠景+前ボケ

F=1.5 1/6000 ISO=100 Shrink from 4368x2912 to 800x533 pixel

(23) Biotar 1.5/75 --------- (24) Dallmeyer speed 1.5/75 -- (25) Helios-40 1.5/85 -----

F=1.5 1/6000 ISO=100 Pixel crop to 800x533

(26) Biotar 1.5/75 ---------- (27) Dallmeyer speed 1.5/75 -- (28) Helios-40 1.5/85 -----

F=2.0 1/4000 ISO=100 Shrink from 4368x2912 to 800x533 pixel

(29) Biotar 1.5/75 ---------- (30) Dallmeyer speed 1.5/75 -- (31) Helios-40 1.5/85 ------ (32) Hektor 1.9/73

F=2.0 1/4000 ISO=100 Pixel crop to 800x533

(33) Biotar 1.5/75 --------- (34) Dallmeyer speed 1.5/75 -- (35) Helios-40 1.5/85 ----- (36) Hektor 1.9/73

F=2.8 1/3000 ISO=100 Shrink from 4368x2912 to 800x533 pixel

(37) Biotar 1.5/75 --------- (38) Dallmeyer speed 1.5/75 -- (39) Helios-40 1.5/85 ----- (40) Hektor 1.9/73

F=2.8 1/3000 ISO=100 Pixel crop to 800x533

(41) Biotar 1.5/75 --------- (42) Dallmeyer speed 1.5/75 -- (43) Helios-40 1.5/85 ----- (44) Hektor 1.9/73

・(26)と(43)はピントをはずしてしまいました。絞り輪が結構かたいので、絞りを変えるとき、ついうっかりピントがずれてしまいます。

・空の色はコーティングがかかっていないレンズでより青く写ります。BiotarとHerios-40はコーティングのせいで、黄色っぽい空です。

・大船観音の白い顔は、コーティングのかかっていないレンズでは紫というかピンクっぽく写ります。BiotarとHerios-40は黄色っぽく写ります。

・シャープネスですが、Helios-40は開放からシャープです。他は少し絞るとシャープになります。あまりシャープだと皺がはっきり写るので、Dallmeyer SpeedのF2.0、HektorのF2.8あたりがソフトでいいかもしれません。


作例3: 後ボケ

F=1.5 1/1500 ISO=100 Shrink from 4368x2912 to 800x533 pixel

(45) Biotar 1.5/75 --------- (46) Dallmeyer speed 1.5/75 --- (47) Helios-40 1.5/85 -----

F=1.5 1/1500 ISO=100 Pixel crop to 800x533

(48) Biotar 1.5/75 ---------- (49) Dallmeyer speed 1.5/75 -- (50) Helios-40 1.5/85 -----

F=2.0 1/1000 ISO=100 Shrink from 4368x2912 to 800x533 pixel

(51) Biotar 1.5/75 --------- (52) Dallmeyer speed 1.5/75 -- (53) Helios-40 1.5/85 ------ (54) Hektor 1.9/73

F=2.0 1/1000 ISO=100 Pixel crop to 800x533

(55) Biotar 1.5/75 --------- (56) Dallmeyer speed 1.5/75 -- (57) Helios-40 1.5/85 ------ (58) Hektor 1.9/73

F=2.8 1/500 ISO=100 Shrink from 4368x2912 to 800x533 pixel

(59) Biotar 1.5/75 --------- (60) Dallmeyer speed 1.5/75 -- (61) Helios-40 1.5/85 ------ (62) Hektor 1.9/73

F=2.8 1/500 ISO=100 Pixel crop to 800x533

(63) Biotar 1.5/75 --------- (64) Dallmeyer speed 1.5/75 -- (65) Helios-40 1.5/85 ------ (66) Hektor 1.9/73

・テストの途中で陽が傾いてしまって、手前のピントが合ったもみじの葉がかげってしまいました。ですので最後にテストしたDallmeyer Speedだけちょっと絵が違います。だたし、後ボケに対する陽の当たり方はそんなに変わりません。

・逆光だとコーティングが威力を発揮するようで、BiotarとHelios-40の方が明るく写っています。

・後ボケはHektor以外は似たようなものですね。Helios-40のボケが案外良いようです。


評価した感想:

一般の評価も、値段も、作られた時期もバラバラのレンズを比較してみましたが、ちょっと絞ると似たような写りでした。 開放では、だいたい予定通りの差が出ました。

Hektor 1.9/73はちょっと勘違いしていました。開放付近ではソフトでボケがきれいだと思っていたのですが、案外シャープで、 ボケはあまりきれいではないようです。

3本または4本のレンズの絞りごとの比較というのは大変ですね。しかしその分、結果は一目瞭然です。


DALLMEYER SPEED ANASTIGMAT F/1.5 F=3" 318147

F=1.5, Right: Pixel crop
気に入っているDallmeyer Speed Anastigmatです。絞りによって描写が大きく変わるクセ玉です。


Ernst Leitz Wetzlar Hektor f=7,3cm 1:1,9 No 235604

F=1.5, Right: Pixel crop
この場所で後ボケのテストをやろうかと思ったのですが、一人しか通れない階段の真ん中でしたのでやめました。 冬は花が少なく、後ボケのテストをする場所探しには苦労しました。


大船フラワーセンターに行ったらまだ休園日だったので、大船観音に寄った後、北鎌倉の円覚寺へ。 円覚寺境内の丘の上にある龍隠庵に行くと、無料で甘酒を頂きました。甘酒は普通おろし生姜が入っているのですが、 ここのはみじん切りの生姜で、生姜の香りが引き立って大変おいしかったです。


Carl Zeiss Jena Biotar 1.5/75 T 3771480


F=1.5, Right: Pixel crop


私の初期型のビオターは収差が多く、多少絞っても周辺が甘いです。しかしながら、非常にコンパクトで比較的安く、 十分収差を楽しめるという点においては優れています。


HELIOS-40 1,5/85 No633370

非常に個体差が大きく評判の悪いHelios-40 ですが、私のHelios-40はすばらしくよく写るようです。 以前試したときにはボケボケだと思ったのですが、思い違いだったようです。値段は非常に安いので、コストパフォーマンスは最高です。 いくら安くても、買う前にはカメラに取り付けてファインダーを覗いてみたほうがいいでしょう。一度同じスペックのEnnalytと比較してみたいと思います。